廃墟と化した箱庭


ミニアルバム「Astreの絲」に収録されている「廃墟と化した箱庭」。
「神様は意地悪」っていう想いを表現してみました」(Cure Vol.25)と話してる通り、神の意地悪さが表現されています。
歌詞カードに書かれている言葉も含めて砂月さんの好きな無機天使ロシエル寄りの目線で描かれている…と考えます。



>天界に咲く光の破片
”光”は創世神ではなく、聖人アダム・カダモンを指すと考えると
アダム・カダモンが創り出し自分の有と無の力を分け与えた
有機天使アレクシエルと無機天使ロシエルが"破片"だと考えられる。
そして醜い年老いた肉塊から成長をするロシエルにとって、
双子の姉であるアレクシエルの存在は光であったことから
"アレクシエル"のことを指すのではないかと思う。


>重力を棄て今触れてゆく
お互いにに近づくことを許されないアレクシエルとロシエル。
それでもロシエルは唯一の光であるアレクシエルに触れたくて
必死の想いで近づいていった辺りを指すのではないかと思う。


>宇宙の中の禁断箱庭
創世神の創った巨大な箱庭=神性界。
その中のエデンは禁断の地。


>創世神は封印していた
アレクシエルをエデンに幽閉していた。


>3枚の翼
双子のアレクシエルとロシエルは6枚の羽根を分け合って生まれてきた。
=3枚の翼を持っている。


>あなたを探した
ロシエルはアレクシエルを求めていた。


>Sandalphonは悪意に満ちていた
Sandalphon=サンダルフォン。
「暗い天使」と呼ばれ、胎児を司る大天使。
しかし詩の通りに悪意に満ちているわけではなく、ここは「天使禁猟区」に出てくる悪夢喰いのサンダルフォンをイメージして書かれていると考えられます。


>幽閉されていたかつてここで
>生贄のように何かを待っていた

この部分だけがすごくアレクシエル側のような気がしてならないけど、
神に愛され、神の住む神の塔で一緒に住んでいて、
自由を与えられていたロシエルも幽閉されていたのと変わらない気がする。
でも本当は全然愛されてなくて、自由のはずなのに閉じ込められていたのと変わずその場でロシエルが待っていたのは「何か」。
「何か」は自由という名の死なのか…それとも誰かなのか。
狂う前にアレクシエルに「殺して」と願ったロシエルなら「死」?
救い出してくれる希望を待っていたのかな。


>張り裂けそうな心の闇は美しすぎるあなたを呪っている
張り裂けそうな心の闇=ロシエルの心の中
美しすぎるあなた=アレクシエル


>時が足りない・・・腐り始めた
アレクシエルの皮膚を移植して美しくなったロシエルの体が生まれたときの姿(醜い肉塊)に逆成長することによって腐り始めた。


>「現実はなぜこんなにも醜いの?」
この世のすべてを憎み、絶望しているロシエルの気持ちだと思う…。


>左の瞳養分とした知恵の木の実と病的管理System
アダム・カダモンの左の瞳を養分とした知恵の木の実(毒)を食べることは
「母喰い」という大罪で創世神はアレクシエルの母体であるアダム・カダモンの体を食べさせることによる罪の意識を背負わせて支配続けていた。
あとアレクシエルは知恵の木の実を食べたメイド達に病的に監視されていた。
天界の腐ってる世界がよく表されている部分。


>無機なる混沌は有機を求めた
無機なる混沌=無機天使ロシエル
有機=有機天使アレクシエル


>媒体Metatronは純真に満ちていた
Metatron=メタトロン。
サンダルフォンの双子の片割れで、兄。
全天使の中で最も偉大で「明るい天使」「神の代理人」と呼ばれる。
メタトロンが支配するカバラのセフィロトの木の最頂部ケテルは「純粋存在」という意味があることから、詩の純真が出てきたのではないかと思う。
サンダルフォンはメタトロンの身体を乗っ取り動く=媒体。


>また腐り始め
止まらない逆成長。


>戒めの悪夢
逆成長する体を見る度に思い出す過去の辛い出来事?


>「あぁ満たされない・・・」
どれだけの地位があっても何を手にいれても満たされない。